診療報酬のファクタリングとは

病院や診療所などの医療機関や調剤薬局などでは、患者が自己負担として窓口で支払う金銭もありますが、そのほかにも公費をもって負担される金銭が存在します。これがいわゆる診療報酬ですが、一般的には社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会に対して請求をしたあと、レセプトの内容にもとづきチェックをした上での支払いとなりますので、実際の支払いの時期は診療などをしてからすぐにというわけではなく、数か月程度は先のことになってしまいます。これは医療の現場ではほとんど当たり前のような受け入れられていますが、支払いが未了で債権として抱えている間にも突発的な資金需要はいくらでもあるはずで、場合によっては病院などの経営を揺るがしかねない事態にもなりえます。そこでこのような診療報酬債権をすぐにでも現金化できるような手段があれば経営上はたいへん便利ですが、それを可能にするのがファクタリングとよばれるしくみです。

ファクタリングを活用すればレセプトを提出したあとわずか数日で現金化してもらうことができ、キャッシュフローの改善に対して大きな効果が期待できます。ファクタリングを利用する場合には、ファクタリング会社の審査を受けてパスしたあとで正式に契約を締結する必要があり、この審査は病院などの信用力もさることながら、債権の内容も重視されています。診療報酬債権の場合は公的な債権ですので、倒産などで支払ってもらえなくなるリスクはまずありえず、審査の上でも有利です。